2014年4月13日日曜日

風に吹かれてボブ・ディラン



4月1日にボブ・ディランの来日公演に行って来ました。ディランなんだから悪いわけがないのですが、今も現在進行形で音楽を続けているから神様なんだと感じるライブでした。凄いぞ、ディラン。印象的だったのはアンコールラストのBlowin' in the wind。

 この曲は最近のツアーでは大胆にアレンジされ、演奏されているこの曲。

 メロディも、リズムも、キーも違う。でもディランの唄う歌詞は紛れもなくBlowin' the wind。最後の最後、The answer is blowin' in the wind.を新しいメロディでディランが唄った時の客席が一体となった盛り上がりと興奮が個人的なライブのハイライトでした。




 ディランぐらいの大物と呼ばれる位置にいるミュージシャンはともすれば、音楽的な冒険よりも過去をなぞること(意外と嬉しかったりする)やエンターテイメントに徹する(これはこれで素晴らしいですが)ことが多いような気がします。

 ただ、ディランは違いました。名曲を誰もが知っているアレンジで何回も演奏され、観客を楽しませるというライブではなく、 あくまでも今の時代を生き、曲をつくり、唄うミュージシャンとしてのライブでした。

 だからこそ、大きなエンターテイメント的な盛り上がりではなく、表現を伝える静かな熱のようなものが全編に漲っていました。バンドの演奏も拙くも味のあるディランのピアノも、過去の空気を今に思い起こさせるのではなく、今の空気を伝える為に生き生きと鳴っていた様に私は感じました。アンコールのBlowin' the windのアレンジもその為の必然で、最後の一節が出た時の会場の興奮は誰もが知っているフレーズが出たということだけではなく、あの曲が新しい形で鳴らされたクライマックスでもあったからのように個人的には思っているのです。

 ニール・ヤングが爆音で演奏した時のように、今の時代に鳴らされるべき姿でオリジネイターによって鳴らされた風に吹かれての姿がそこにあった様に思います。


 で、そんなこんなでボブ・ディランやその周り(マイク・ブルームフィールドやザ・バンド)を聴きつつ、最近のインディーバンドの楽曲を聴いていたのですが、なんというか今回の来日でディランが鳴らしていた音が今のバンドの曲達と共鳴している様に感じたわけです。




 具体的に挙げるとThe war on drugs“Lost in dream"(アマゾンのレビューが秀逸!ていうか私と思ってたことが同じで嬉しくなるというアレ。)とThe Men"tomorrow's hits"という作品にそれを強く感じたわけです。
 






 彼らの音楽には自分が思うアメリカの風景とか60〜80年代のロック、パンクに向き合いつつ今の感覚で音を鳴らしているようなところがあり、自分はそれが凄く好きです。

 で、それと同じような感覚で今回のディランのライブが聴こえてたのです。
自分には。それはとても凄いことだと思うんですよ。

 だって70越えた人が自分の生きて来た歴史を踏まえて、さらに先のところに行こうとしている、その音を鳴らしているわけですから。

 だから神様なんだなあ。いいもん観たなと。思ったわけなんです。
こうなったらまた新作つくって来てもらうしかないですよ。ええ。



 一時期、グランジブームで誤解されてましたがPearl Jamなんかは90年代〜00年代(今も!!)は真っ当でこの流れのアメリカのロックをやっていた様に思います。


 だから、ディランと並ぶ双璧だと勝手に私が思っているニール・ヤング(カナダの人ですが)の現在もそろそろ観たいなあなんて思う今日この頃でした。

 FUJI来るよね!? どうなんだ!!


 あと今回のボブ・ディランの物販が非常に秀逸なデザインでキャップとTシャツを買って散財してしまいした、、。でもコレなら普段も使える!はず!



 

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