2012年10月23日火曜日

これはいいものだ!







壺、、、。

はい、こんにちは。今回はエフェクターのレビューのネタが尽きて来たこともあったり、個人的に楽しみにしていた新作が10月ラッシュで発売されていることもあり、だったので聴いていた中で感銘を受けた作品をピックアップして紹介したいと思います。


エフェクターはどうするのかって?

いやあ、もうお金がないんで、レビューしなくなるかもしれませんねw。

多分、今月中にレビューし忘れていた80'sのBig muffをレビューすることになると思います。よかったら、その時にも覗いて下さいな。

ではでは新作レビュー行きまーす!!



・Godspeed you Black emperor / 'Allelujah! Don't Bend! Ascend!

昨年度に I'll be your mirrorで復活後の初の来日を果たしたGodspeed you Black emperorの新作です。これが非常に良いです。

作風が特に大きく変わったわけではなく、いつもどおりの映画を観ているのに近いような重厚な音の展開、重なりを聴かせてくれる作品です。

ただ、今作は明るくは無いのですが意外とメロディアスでフックの効いた旋律もあったりするので聴きづらい印象はなく、スッと作品に入り込めました。

初めて彼らの作品に触れるという人も2枚組とかでないので聴きやすい方かと思います。
激しくなった時の音にロック的な躍動感が溢れているところが彼らの良いところであり、特徴だと思います。




・Converge/All We love We leave behind

"Jane Doe"という歴史的傑作でカオティック・ハードコアというジャンルを認知させ、さらにその後も一線で活躍し続ける帝王Convergeの新作です。

説明不要、とにかく聴いてみて。というぶっちぎりの作品でした。
ていうか彼らの作品っていつもそうなんですよねえ。

なんつうか期待を裏切らないというか常に疾走している感じがします。

で、今作はここ2作が彼らの作品にしてはハードコアやパンク、メタルに寄り、ある意味わかりやすい方向に舵を切っていたわけですが、今作は"Jane Doe"寄り、さらに言うと色々なところでも言われていますがジャンルのごった煮感がさらに強く、ところどころメロディやシンガロングが顔を出す作風になり、でもぬるい音にはならずという神業をやってのけています。

"Jane Doe"という金字塔がある彼らですが今作はそこに肩を並べられる作品になっていると思います。

アルバム全体でもここ3作は長尺のスローナンバーがやや単調、似た展開に聴こえている面もありましたが、今作はスローな曲も尺が短くなり、ゲストもいないので非常にアルバムの全体構成が締まったと感じました。

なのでダレずに一気に聴けます。17曲で47分くらいです。

ハードコアに免疫が無い方も大迫力のこの音をぜひ一度聴いて頂きたいと思うのであります。

今、紹介した上の二つはPitchforkでBest New Musicをとっていました。
先月のSwansといい、今年は重い音をゴリ押しする感じのPitchfork。
あからさまな感じが凄ーくします(笑)が個人的にこういう音にスポットが当たるのは嬉しいですね。

で、そんな重い音を鳴らす新人がSubpopから出て来ました。

それがカナダ出身のMETZ


初期のSubpop勢や90年代に活躍していたJesus Lizard,Fugazi, Shellac等を思い起こさせるバンドで、とにかく音がヒリヒリしていて、良い緊張感と勢いで鳴っています。

日本盤のライナーノーツが非常に面白くて、
"近年、カナダでもバンドには12人のメンバーが必要だと考えられていた時期があった。"という一文から始まるのですが、これ絶対Godspeed you Black emperorのことだろ(笑)と思って楽しく読んでましたw。これは肥大化しまくっていたロックバンドにいい意味で皮肉を込めた名ライナーノーツだと思うのでその和訳の入った国内盤をおすすめします。


ライブパフォーマンスもよさげなので来日に期待しています。
ただ、この作品、録音が非常に素晴らしい仕事をしていて、このライブでの暴れっぷりをそのまま音にしたかのようないい意味で汚れていて、迫力のある音で仕上げられています。

なんで生の演奏でそこまでの音圧になるかどうかも一つの鍵かもとか勝手に思うんですよね。そこも含めて観たい!

しかしSubpopもこんな新人を見つけてくるとは流石ですな。



 ・Melody's Echo Chamber

サイケポップな感じだとMelody's Echo Chamberは聴いていて、とても楽しいアルバムをつくっていました。

Monchicon!でインタビューが載っていますが今後もコンスタントに素敵なアルバムを届けてほしいなというアーティストの一人です。

このインタビューに出ているTame Impalaの新作も一聴の価値有りのアルバムでした。


でもって次はThe John Spencer Blues Explosionですね!
前作の"Damage"は正直ピンと来なかったのですが今作ではちゃんとブルースがエクスプロージョンしていて感激ですw。ギターマガジンのインタビューでもかなりの自信作のようで来日が今から楽しみです!







ラストは

・XINLISUPREME/ 4Bombs
この中では一番知名度が低いかもしれないのですが、個人的には日本のアーティストの中で一番好きな音を出してくれいる人です。

アンドリュー・ウェザオール(エレグラで来日するはず。)に初期のクランプス以来のベスト・ロックミュージックと呼ばれたのも頷ける圧倒的な音の壁とノイズと美しい旋律がバチバチする音楽です。

日本にもこんだけ凄い人がいることをもっと日本人が知って欲しいと思う今日このごろです。


さて如何でしたでしょうか?もし気になった音楽があったら是非チェックしてみて下さい。きっと新しい感動が待っているはずです。多分、、。


次はビッグマフか今週、来週とライブに出かけることが多いのでそのレビューでもしていきたいと思います。

よかったら、また覗いて下さい。

swimwell 押山













2012年10月7日日曜日

ジミ・ヘンドリックスとCornell the 1st Fuzz

ジミ・ヘンドリックスは説明不要の歴史上、最も偉大なギタリストです。
私も当然大好きで、多分ロックを聴いてギターを弾いた人に嫌いな人はいないと思われる偉大な人です。



そんなジミヘンが使っていたエフェクターといえば、Uni vibeにVoxのワウペダル、そんでもって、やっぱり一番に思い浮かぶのはFuzz Faceです。





上にあるダラス・アービター等のヴィンテージのファズフェイスはビッグマフなんぞ比べ物にならないくらいにぶっとんだ高値で取引されています。

私も高校1年くらいの時にたしか某ク◯サワ楽器店だったと思うのですが、コイツのヴィンテージが10万円台で置いてあり、しかもなんかモサッーっとしたオッサンに試奏されて、買われていったのを覚えております。衝撃でした。(キ◯ガイだと思いましたが、大人になって自分も似たようなキ◯ガイになるなんてビックリです。ギタリストはみんな変態です。多分。)

最近はジョー・ボナマッサや昔からファズ・フェイスを愛用していることで知られるエリック・ジョンソンのシグネイチャー・モデル等も出ている定番であり、マニアもたくさんいるファズなんです。



で、今回紹介するのはヴィンテージのファズフェイスをつくっていたらしいコーネルさんがその知識を生かして、つくったCornell the 1st Fuzzです。



実は顔に見えるという、この個体の可愛らしさもさることながら、ヴィンテージのパーツを使用することにこだわり、トランジスタは泣く子も黙る(むしろより泣くんじゃねえかと思われますが) 初期のファズフェイスに使われていたNOSのNKT275を搭載している機種です。

そして紹介しといてあれなんですが、もう一年以上前に廃盤です、、。
トランジスタがなくなったそうです。(仕方が無いね)







でも紹介しようと思ったのはこのファズ非常に良い出音なんですね。
中身を見ても大きな抵抗とNKTとでっかく主張するトランジスタ、で、気温変化の際の微調整用のトリマーも付いていて、ヴィンテージを今の時代に使いやすく、復活させた感じの設計になってます。

出音ですがギターボリュームへの追従性がとても高いです。
ファズフェイスでおなじみの歪ませて、ギターのボリュームを絞って出すことのできる鈴鳴りやクランチサウンドが実に心地よいのが特徴です。

と、御託を並べてもあれなんで、いつもどおりのへタッピなデモ音源を録りましたよ!

ジャズマスター→1st Fuzz→POD HD marshall plexiで録りました。
ファズはボリュームが大体9時くらい、ゲインはフルの若干手前のセッティングです。


廃盤ですがなんだかんだでオークションや中古市場でプレミアも付くこと無く売られているので結構お薦めな一品です。

あらゆるところで評判がいいので多分買って後悔しないと思います。

最後にジミヘンの再来といわれていた時期があったらしいフランク・マリノさんの動画でお別れです。ジミより地味ですが意外と好きです。



ワールド・アンサム、、。
何か時代を感じますね。今だとアンセムになるんでしょうね、、。

swimwell 押山


2012年10月4日木曜日

ありがとう3万5千アクセス記念 CD,レコードレビュー





おはようございます。
Everyday is like sundayは名曲ですね。というわけで最近Morrisseyばかり聴いているswimwellの押山です。


今ではすっかりオジサンですが、それでも(むしろそこが)かっこいいですね。
来日でもシャツ脱ぎまくりの客席に投げまくりでした。また日本に来てね。

というわけで月に3回〜4回の更新で続いてきたこのブログ。
最初はあまりにマニアックな内容で誰も見てくれないんじゃないか。と心配していました。

しかしながら遂に35000アクセスを突破しました!
凄いのか凄くないのかよくわからないのですが、とにかくたくさん見て頂けるということでこれからもちょこちょこ地道に更新を続けて行きたいと思います。

それを記念して今回はやるやる詐欺だったCD,レコードのレビューをやります。

かなりの量を聴いたのでどれをピックアップするかを大分迷ったんですが、一言ずつ簡潔にどんどん紹介したいと思います。


・Animal Collective/Centipede HZ
 もうコレは鉄板ですね。自分の中では期待を裏切らないバンドNo.1です。ギターのディーケンさん復帰の影響もあってかエレクトロポップとも言えそうな前作の路線からロックっぽい生々しい音に変わっています。多分、前作より売れない路線ですw。FeelsやStrawberry Jam の時のような変な音のギターも復活していて、個人的には一番好きなアルバムかもしれません。





・Eternal Summers/Correct Behavior
The Primitivesとか思い起こさせるギターポップバンド。王道の直球勝負なバンドサウンドです。楽曲のクオリティが総じて高く、ギターポップだらけなんですが、その曲調も幅広く聴いていてウキウキして飽きない素晴らしいアルバムです。ちなみにthe primitivesはこれです。↓

曲も大体3分で終わるところはわかってるぜ、コイツらと思いました。

・Seapony/Falling
インディー界でヒットした前作に続いてのセカンドです。国内盤も出ました。
前作に比べて大きく何かが変わったというところはないのですが、今回も良質なギターポップの曲が並べられていて何度も聴けます。



・The Swans /The Seer
No New Yorkの激遅ハードコアバンドな印象が未だに強そうなSwansですが、中心人物のマイケル・ギラさんは自身のレーベルを設立して、ソロやったり、デヴェンドラ・バンハートを世に出したり、Swansも続けていたりしています。
前作が個人的にツボで今作も期待していましたが期待通り、いやそれ以上の凄まじい作品2枚組が出て来ました。ビックリ。凄まじ過ぎて気軽に聴きづらいのが玉にキズですがw。
Akron/Familyの人とかYeah Yeah Yeahsのカレンさんとか前記したデヴェンドラさんとか大挙してゲスト参加しています。

音的にはポストロック、音響系(グレン・ブランカっぽいとこもあるような、、。同郷だけに)に初期の重さを足した前作の路線を踏襲して広げた作風で、音が広いといいますかなんていうかブラックホールの中に入っちゃったよ、俺。みたいな音です(どんなだ。)

http://pitchfork.com/reviews/albums/16964-the-seer/

ピッチフォークでもベストニューミュージックになってました。
若干の気合いは必要(曲がやたらと長い)ですが一度聴いてみる価値は確実にあります。
二枚とおして聴き終えた後の達成感は半端ないですw。




・Circa Survive/Violent waves
メジャーから自主レーベルに変わっての一作目ですが、メロディとか曲調が大分大味で悪い意味でメジャー感が漂い始めていた前作に比べて、ダークで重い感じが戻って来てます。1stにプログレっぽさを足したような作風で個人的には復活か、これは!
と思える作品です。
デジタルダウンロードは非常に良心的な価格なので是非聴いてみて下さい。
かっこいい音です。そして相変わらずアンソニーの声がいい。


・TEEN/In Limbo
Here We Go Magic(アルバムもライブもよかったっすねー。)から脱退したキーボーディストが組んだらしい5人組のガールズバンド。Sonic Boom(MGMTのセカンドのプロデューサー、元Spacemen3,Spectrum,あとケヴィン・シールズの友達)が気に入ってプロデュースを買って出たというだけあって、全編に漂うダルくてサイケでポップでキッチュな感じがたまらないバンドです。売れないだろうなーw。売れろーと念じてレビューしています。PVもちょっと変で可愛らしく、こういう感じ大好きです。

・WHY?/Sod in The seed
WHY?のアルバムに先駆けて発表されたミニアルバム(?)、EP?、まあどっちでもいいです。インディーロックとヒップホップの融解度が更に増していて安心のクオリティです。ペイヴメントがヒップホップのリズムでラップしているという感じがするバンドだと思います。Yoniのラップとメロディは耳に馴染みやすく、とても心地いいですね。後このバンドにいつも思うのですがギターのリフが非常にメロディアスで耳に残るんです。アルバムも楽しみです。

ライブが非常に良いバンドなので、この後のアルバム→来日の流れに期待してます。

とこんなところです。


今月はさらに新作目白押しの来日ラッシュで財布が火の車ですが、楽しい音楽に出会えると思えば安いものです。

Sunn o)))がフルメンバー(アッティラさん降臨ですわ。)で出演するLeave Them All Behindは心から楽しみですねー。

ちなみにコレがアッティラさんだ。

あ、顔見えないっすね。んじゃアッティラさんのもう一個のバンドのライブ映像です。


このバンドのドラムは凄腕で有名なHellhammerさんです。
だからなんだ。つうかモヒカンだったんかい。



というわけで皆さんもこの来日ラッシュの機会に一度なにかの海外アーティストやバンドを観に行ってみてはどうでしょうか。
奇跡的に素晴らしいライブに出会えるかも!

そんなこんなで明日はファズフェイス系のアイツをレビューする予定です。
音楽機材レビューに舞い戻ります。よろしくです!

swimwell 押山